8.1 ブルマーケットとベアマーケット｜それらの重要性とは？

このセクションでは、仮想通貨における「ブル」と「ベア」とは一体何かについて説明していきます！ ウォール街のチャージング・ブル像が示すように、投資はブル (雄牛) のような姿勢とエネルギーが重要です。しかし、コインには裏表があるように、市場には、市場の全体的な現状を象徴する2つの異なる感情が存在します。もちろん、これは仮想通貨市場にも当てはまります。

「ベア (弱気)」と「ブル (強気)」という表現は、すべてのトレーダーが知っておくべき重要な金融用語です。トレーダーが市場の現状を理解するためには、これら2つの用語の定義をしっかりと理解しておく必要があります。 このセクションでは、仮想通貨における「ブル」と「ベア」とは何かについて、これらの用語がなぜ「ブル」と「ベア」と呼ばれるのか、これらの用語はいつ使用されるのか、そしてトレーダーが仮想通貨市場の状態を把握する方法について、具体的な例を挙げて説明していきたいと思います。

では、始めていきましょう！

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Bullish vs Bearish Markets: How to Predict it? (Animated)

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「ベアマーケット」とは？

仮想通貨や従来の株式の世界において、「弱気市場」または「ベアマーケット」という用語は下降傾向にあると言える市場を指します。ベアマーケットにあるということは、価格が下落しており、全体的なムードが悲観的で、投資家が投資をためらっている状況を意味します。これは、市場が近い将来どのように動くかに対する不確実性のセンチメントに帰着します。

仮想通貨において、ベアマーケットとは仮想通貨の価格が持続的に下落し、新しいプロジェクトが投資を集めるのに苦戦しており、取引全体に対する信頼感が欠如している状態を指します。要するに、チャート上の数字が赤くなり、多くのトレーダーが望むよりも長期間にわたってその状態が続くという状況です。

これをブル (強気) のローソク足とベア (弱気) のローソク足の観点から分析すると、ベアのセンチメントは赤いローソク足で表されることになります。 では、なぜこれらの用語は「ベア」と「ブル」と呼ばれるのでしょうか？このような金融の話がベアと一体どんな関係があるのでしょうか？

仮想通貨において、その答えは不安定です。と言うのも、それは聞く相手によって異なるのです！一説では、トレーダーが毛皮を捕獲者から受け取る前に高値で売ることでリスクを伴う取引に参加したことに由来すると言われています。しかし、最も一般的な説明は、用語「ベアマーケット」は、動物であるベア (熊) が獲物を攻撃する方法から派生しているというものです。ベアは前足を下方に振るようにして獲物を襲います。その理由から、市場全体が「下落」している時は、ベアマーケット (弱気市場) の真っ只中にいるということになります。

ここで、実際のベアマーケットがどのようなものかを説明するために、2018年の最初の数か月を見てみましょう。この期間は、ビットコインの価格がほぼ20,000ドルから6,000ドル未満に下落したことが世界中で観察された時期です。

仮想通貨業界の最前線を走るビットコインは、それほど重要ではないアルトコインの大部分も同様に損失を被り、トレーダーは以前のように仮想通貨に投資しないことを選択したため、市場全体のセンチメントに大きく反映しました。

「ブルマーケット」とは？

次に、「ブル (強気)」のパターンが「ベア (弱気)」とどのように違うのかについて説明していきたいと思います。

「強気市場」または「ブルマーケット」とは、「ベアマーケット (弱気市場)」と正反対の意味を持つ用語です。コインの価格が上昇すると、仮想通貨市場は「強気」になり、一般的な市場のセンチメントは楽しくて熱狂的になります。投資家は一般的に、特定のプロジェクト、製品、コイン、そして仮想通貨市場全体の将来のパフォーマンスについて楽観的です。チャート上の数字が緑色に変わり、その状態が長期間続く場合、トレーダーはブルマーケット (強気市場) にいることがわかります。

なぜ「ブル」と「ベア」と呼ばれる理由としては、「ベアマーケット」と同じように、「ブル (強気)」という表現は、雄牛の突進の仕方から来ています。雄牛は攻撃モードになると、角を空中に突き上げます。これは、詩的に言えば、仮想通貨、株、有価証券、またはその他の投資形態の価格が長期間にわたる価格の上昇傾向に似ています。 そして、ブル (強気) のローソク足とベア (弱気) のローソク足に関して、ブルのセンチメントはチャート内の緑色のローソク足に関連付けられます。

実際のブルマーケットの好例としては、2018年のベアマーケットが始まる前の時期でしょう。それは2017年下半期に起こり、前述したように、ビットコインの価値が継続的に上昇するのが特徴でした。

最終的には、1 ビットコインの価値がほぼ20,000ドルにもなり、業界全体が喜びを覚えました。投資家はすでに確立された業界の有名プロジェクトだけでなく、新しく有望なプロジェクトにも熱心に投資したため、熱意と楽観的なセンチメントがあちこちに広がっていました。

ベアマーケットにいるサインとは？ 

ここまで「ベア」と「ブル」とは何かについて説明してきましたが、ここからはそれを実践的な視点で考えてみましょう。具体的には、現在の市場の状況を認識するためにトレーダーが注意すべきサインと、トレーダーが認識すべきブルとベアのパターンについて話を進めていきたいと思います。

まず最初に、市場がベアマーケットに入っていることを示す特徴について見ていきましょう。 前述したように、下降傾向はベアマーケットの本質的な特徴です。言い換えれば、ほとんどの指標が減少していることがわかります。

まず第一に、仮想通貨の価格が減少していることです。多くのコインがその価値を失い続ける状況で、長期間これが止まらない場合、市場がベアに向かっているか、既にベアマーケットの状態にあるという指標です。

もう一つ重要な指標は、全体的な仮想通貨の取引量の減少です。仮想通貨の取引量とは、活発に取引されている仮想通貨の総量を指します。簡単に言えば、取引量とは、特定の期間内に行われるすべての買い手と売り手の取引活動を表す用語です。つまり、取引量が持続的に減少している場合、これはベアマーケットの到来を意味することが多いです。

価格と取引量が減少すると、自然と全体的な取引活動も減少し、これは少ない人々が仮想通貨資産を買ったり売ったりすることを意味します。これらの特徴は、FUD（恐怖、不確実性、不信）が市場全体のセンチメントを支配していることを示しています。このセンチメントがどのように仮想通貨市場に影響を与えるかについては、「FUD」に関する別セクションをチェックしてみてください！

したがって、価格と取引量の減少は、仮想通貨市場全体の時価総額の減少に反映されます。時価総額とは、特定のコインまたは仮想通貨市場全体のサイズと価値を計算する指標の事です。もちろん、これらすべてが減少すると、市場の時価総額も減少します。

さまざまな指標によって測定される減少は、ニュース、コラム、批判的なコメントなどのネガティブなメディアコンテンツを伴い、統合されます。ポジティブな側面や発展は簡単に見逃されますが、ネガティブな側面は注目を集めます。これにより、市場を占拠するFUDがさらに強化され、熊の足が業界全体を掴んでいるのを誰もが感じることができます。

ブルマーケットにいるサインとは？ 

次に、もっとポジティブな話題であるブルマーケット (強気市場) について見ていきましょう。驚くほどのことではないかもしれませんが、ブルマーケットは、単純にベアマーケットの正反対の状況です。ブルマーケットの主な特徴は「上昇」です。

具体的には、仮想通貨価格の上昇、仮想通貨の取引量の増加、取引活動の増加、そして全体的な仮想通貨市場の時価総額の増加などです。特に、仮想通貨における「ブル」と「ベア」に関しては、これらの上昇傾向はかなり明白です。

これにより、トレーダーだけでなく、投資家の間にも楽観的な気分が生まれます。さまざまなプロジェクトが資金を調達しているというニュースをより多く聞く場合、それは信頼感が市場に入ってきたというシグナルです。これは、投資家が十分に安全だと感じて、よりリスクの高いプロジェクトを選択して資金を投資できることを意味します。

ベアマーケットでは、投資家は通常「安全な避難先」とされる資産に投資することを選択します。例えば、金、政府債券、あるいは仮想通貨の文脈で言えば、ビットコインやイーサリアムなどです。

楽観的な気分と信頼感が市場に入ると、投資家はリスクを冒して、ニッチなアルトコインやあまり知られていないDeFiプロジェクトなど、より安全でないものを選ぶことができると感じるようになります。重要なことは、お金が市場に流れ込んでくることであり、これが一般的な楽観主義をさらに後押しし、ブルな気分を加速させるのです。

市場をブルまたはベアにする要因は？ 

ここからは、市場を急激に変化させる要因について見ていきましょう。市場全体が大きく変わるためには、非常に重要なイベントが起こる必要があります。

経済データは、市場が近い将来どのように見えるかに重要な役割を果たします。例えば、インフレ率はトレーダーが無視できないものです。インフレが上昇すると、中央銀行が金利引き上げなどのより厳格な金融政策を実施し始める可能性があることを示します。

金利の引き上げは、経済活動が減少することを意味し、投資家やトレーダーはよりリスクの高いプロジェクトや資産に投資する前に躊躇するかもしれません。

もう一つ重要な要因は、地政学的なイベントや自然災害です。戦争、テロ攻撃、政情不安、および同様の出来事は、仮想通貨市場の不安定性と不確実性を確実に高めます。しかし、時には予期せぬ形で物事が起こることもあります。

例えば、ウクライナで戦争が勃発した際、市場の反応は曖昧でした。一部の投資家は、地域通貨と異なり、ビットコインは国境に影響を受けない「安全な避難先」として見なされる可能性があると気づきました。したがって、不確実性の上昇にもかかわらず、ビットコインは目立った影響を受けず、市場はベア (弱気) な段階にまで陥りませんでした。

最後に、仮想通貨業界そのものについて触れなければなりません。前向きな最新情報やニュースは、ブル (強気) なセンチメントにつながるか、それを後押しする可能性があります。一方、ネガティブなニュースは有害になる可能性があり、それらのネガティブなニュースが業界内の重要なプロジェクトから出た場合、ドミノ効果を引き起こす可能性があり、その結果、すべてが急速にベア (弱気) になる可能性があります。

最近の例として、Terra Lunaエコシステムの崩壊が挙げられます。2022年に、同じ会社が発行するUSTとLUNAという2つの相互に関連するコインが突然機能しなくなりました。わずか2日間で、LUNAコインは120ドルから0.02ドルに急落し、巨大な売却と投資家のパニックを引き起こしました。

このイベントの直接的な結果として、600億ドルが仮想通貨市場から消失したと推定されています。これによりFUDが生まれ、Terra Lunaのイベントからほぼ1年後もなおベアマーケットが続いています。

まとめ

それでは、ここまでお話しした内容をまとめましょう！仮想通貨における「ベア」と「ブル」とは何かについて、その主な違いやトレーダーがそれらを見分けることがどれだけ重要かを理解して頂ければ幸いです！ このトピックはとても広範であり、カバーする内容が多すぎた為、ブルとベアのローソク足など、専門的な側面についてはこのセクションで触れませんでした。

しかし、この「仮想通貨 101ハンドブック」の他のセクションでもっと技術的な側面については紹介していますので、ぜひそちらの別セクションも合わせてチェックしてみてください！