6.4 最適なdAppの選び方｜ やるべきことと、やってはいけないこと

このセクションでは、適切なdApp (分散型アプリケーション) の選び方について詳しく説明していきます。

DeFi (分散型金融) とdApps (分散型アプリケーション) は、巨大で洗練されたトピックです。人々がその複雑さに戸惑い、怖気づいてしまうのも不思議ではありません。 dAppsに関する前のセクション「dAppとは？」では、dAppsが何であるかについての基本理論のみを説明しました。このセクションでは、このトピックをさらに深く掘り下げて、評価し、最適なdAppの選び方を徹底紹介していきたいと思います。

現在、dAppの種類は非常にたくさんあるため、どのdAppにしたら良いのかと迷う人も多いと思います。物事が非常に混乱していると、そもそもどこから始めればよいのかさえ分からなくなってきます。この記事をまさに今読んでいる読者の方は、おそらくこの混乱をすでに経験していることでしょう。

と言うことで、このセクションでは、優れた信頼できるdAppの基準とは何なのか、また、最良のdAppを他のdAppから際立たせる要因とは何なのかについて検討していきます。注目すべきあらゆる側面と、それらを比較する方法について初心者の方にもわかりやすく、簡単に説明していきます。今はdAppというものが混乱しているように見えますが、この記事を読み終わった後により親しみやすいものとなってくれれば幸いです。

では、早速本題に入っていきましょう！

ビデオ解説

動画解説: 最適なdAppの選び方｜ やるべきことと、やってはいけないこと

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How to Pick the Right DeFi dApp? (Dos and Don’ts Explained)

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dAppsを選ぶときにやるべきこと

dApps (又は、分散型アプリケーション) は、分散型ネットワーク上でピア・ツー・ピア・トランザクションを可能にする機能により、近年非常に人気が高まっています。日常的に作成されているdApp は、一般的に、お金やインターネットとやり取りする革新的な方法のように見えます。しかし、物事はそれほど単純ではありません。

ここからは、dAppsを例を挙げて見てみましょう。

こちらがジョンです。彼は物事を学ぶことに熱心なので、たまたまある特定のdAppについて知りました。これは有望に見える分散型融資プロトコルであり、ジョンの注目した理由は、それに投資することを選択した人に高いリターンが約束されているというとても魅力的な事実でした。しかし、批判的な評価をせず、すぐに行動に移すことによって、経済的なミスが多く発生します。結局のところ、無料のランチなどという美味しい話は存在しません。

ジョンは「仮想通貨 101 ハンドブック」を読みました。彼は、衝動的なタイプではなく、事前にしっかりとしたリサーチを行わずに行動するつもりはありません。したがって、このdAppが正規のものであることを確認するためにジョンが実行する必要がある手順、言い換えれば、「適切なdAppを選ぶためにやるべき事」は次のとおりです。

TVL (ロックされた金額の合計)

まず第一に、TVLとは非常に重要な指標です。「TVL」とは、英語の「Total Value Locked」の略で、日本語で直訳すると「ロックされた金額の合計」、要は「預かり資産」という意味になります。これは、dAppにロックされた資産の合計価値を測定するために使用される指標で、言い換えれば、人々がすでにそれにどれだけ投資しているかということを表します。

これは、疑問視されるdAppサンプルの人気と採用度、およびユーザーがサンプルに対して抱いている信頼のレベルを示す良い指標となります。 TVLが高いほど、dAppに保持されている資産が多くなり、dApps開発がより活発になり人気が高くなります。

ここで簡単な例を挙げて考えてみましょう。もし銀行にお金を預けるとしたら、廃工場の片隅で見つけた「銀行 3000」という名の銀行に、苦労して稼いだお金をただ預けるのではなく、確かな評判と長年の経験を持つ、信頼できる銀行を選ぶでしょう。 DeFiとdApps についても同様です。

したがって、特定の分散型融資プロトコルのTVLが45億ドルだとしましょう。数が多いため青信号であるだけでなく、時間の経過とともに増加しています。これは、問題のdAppの実際の財務健全性に関するもう１つの楽観的なシグナルです。

ここで留意すべき重要なことは、これは投資が100%安全であり、収益が保証されるという意味ではないという事です。それでも、TVLを使う事は、潜在的なリスクを評価するのに便利な方法だと言えます。

監査

もう１つの重要な指標は監査です。 dAppのコントラクトアドレスを選択する前に、それを評価することが不可欠です。これにより、その背後にあるコードのセキュリティと信頼性が確保されます。

それでは、監査とは具体的に何を意味するのでしょうか？監査とは、専門家チームによるdApp のコードベースの徹底的な検査です。これは、dAppのアーキテクチャ内に潜む可能性のある脆弱性やバグを特定して修正するために行われます。これは文字通り、建物に対して実施される構造検査のDeFiバージョンです。

プロジェクトのウェブサイトにアクセスすると、「監査」セクションが簡単に見つかるはずです。信頼できる企業や最も人気のあるdAppは、この情報を隠したり、ユーザーが自分でこの情報を確認できないようにしたりすることはありません。特定のdAppが監査情報を公開していることを確認した後は、追加の手順として、監査会社の名前を検索して実際に存在するかどうかを確認しましょう。それは、ソーシャルメディアプラットフォームを調べたり、公式ウェブサイトをチェックしたりすることでわかります。

コミュニティーとチーム

さて、リストの次は、コミュニティーとチームです。これは、最も人気のあるdAppによって無視されない為の重要な指標です。

特定のdAppを取り巻くコミュニティーとチームの重要性を確認する最良の方法は次のとおりです。

dAppがアパートだと想像していてください。この場合、建築士と建設チームは、特定のdAppの背後にあるチームを代表します。そのチームは一体信頼できるのか？

そしてコミュニティーとは、このアパートが建設されている地域のことです。その地域は住み心地が良いのか？

最適なdAppを選択するためにdAppの例を検討する場合、強力なコミュニティーとその背後にあるオープンで透明性のあるチームの存在が重要になります。これらの要素がプロジェクトの信頼性と安定性を物語っているからです。

人々がそれに固執する場合、これは彼らがそれに価値を見出し、不誠実で信頼できない現金強奪者に押しのけられないことを意味します。これは、dApps開発者にも同じことが当てはまります。プロジェクトの背後にあるマインドが信頼できない場合、その製品はどのように異なるのでしょうか?

最初に探すべきことは、dApps開発の背後にあるチームが身元を公表しているかどうかを確認することです。これは、プロジェクトに対する彼らのコミットメントと説明責任を示しています。

ソーシャルメディアも別の要因です。積極的なソーシャルメディアの存在とコミュニティーとの一貫した関わりは、チームが隠れておらず、自分たちが作成した製品に誇りを持っていることを示しています。彼らは一般の人々にそれを見て、発見してもらいたいと考えています。

ここで別の例です。突然、週末に犬の世話をしてくれる人が必要になったと想像してみてください。匿名のFacebookのプロフィールを持つ見知らぬ人に自分の犬を預けますか？上場企業が創業者の名前のような単純なものを隠さなければならない場合、間違いなく不審な信号を発します。

したがって、ここでの教訓は、dApps開発の背後にあるチームをチェックして、彼らが匿名性の層の下に隠れようとしていない本物の人間であることを確認することです。これは、ソーシャルネットワークがアクティブであることを確認することで出来ます。

テクノロジー

さて、次はテクノロジーです。 DeFiとdAppsをナビゲートする際のテクノロジーの重要性は非常に重要です。これにより、dAppが関連性のある信頼できるプラットフォーム上に構築され、特定の有用な目的を果たすことが保証されます。

ここでのポイントは直感的なものです。ラップトップがどれほど高級で高価であっても、Windows 98で動作する場合は、間違いなくひどい目に遭うでしょう。

関連するブロックチェーンネットワーク上に構築されたdAppを選択すると、同じネットワーク上の他のdAppやサービスとの互換性と相互運用性が確保されます。これを現実的な言葉に言い換えると、あなたが選んだdAppが、世の中で最も活発で期待できるエコシステムと実際に互換性があることを確認する必要があるということです。

したがって、古い、または無関係なブロックチェーンネットワーク上で実行されるdAppや、必要な機能が欠けているdAppは、賢明な投資ではない可能性があります。まさに行き止まりに向かって進んでいるようなものです。

補足になりますが、ブロックチェーン全般について詳しく知りたい場合は、別セクションの「ブロックチェーンとは？」をチェックしてみてください。

dAppsを選ぶときにやってはいけないことは？

これまでに述べたことは、dApp (分散型アプリケーション) を適切に評価する為の「やるべきこと」リストです。論理的には、「やってはいけないこと」とはその逆です。これまで述べてきたことを踏まえて、常に心に留めておくべき６つの「やってはいけないこと」をリストとして下記にまとめました。

• 監査されていないdAppのコントラクトアドレスを選択しないこと。監査がなければ、セキュリティ侵害、資金の損失、その他ユーザーに損害を与える可能性のある問題が発生するリスクが高くなります。
• 活発ではない、小さいコミュニティーや、オープンで透明性のないチームを持つdApp は選択しないこと。
• ソーシャル上でのアクティビティのレベルが低いdAppは選択しないこと。
• 未知の、あいまいなブロックチェーンネットワーク上に構築されたdAppは選択しないこと。
• プロトコル全体でロックされている資金の数に関するデータが見つからないdAppは選択しないこと。

これまで強調してきた最適なdAppを選ぶために「やるべきこと」と「やってはいけないこと」をすべて心に留めておけば、DeFiジャングルの旅がより簡単、安全、そして快適になることは間違いありません。