1.2 匿名・分散型ブロックチェーン：仮想通貨の基軸
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本記事では、匿名および分散型ブロックチェーンについて解説します。
「分散型ブロックチェーン」という用語は、仮想通貨業界について少しでも触れたことがある方であれば、間違いなく聞いたことがある言葉でしょう。実際、私たちはこのような用語に無感覚になってしまい、あまり考えていないことがよくあります。
しかし、分散化と匿名性が仮想通貨業界全体の基本的な基礎の一つであることをご存知でしょうか？そうは言っても、これら2つのコンセプトは、特に仮想通貨の規制においては非常に物議を醸すものとなっています。
本記事では、仮想通貨の世界に関連する分散化と匿名性について学ぶことができます。より具体的には、このようなコンセプトが何を意味するのか、仮想通貨とどのように関連しているのか、そして一般的にブロックチェーンを活用したプロジェクトにとってなぜ重要なのかについて解説していきます。
さあ、始めましょう！
ビデオ解説
動画解説: 匿名・分散型ブロックチェーン：仮想通貨の基軸
読書が苦手ですか？「匿名・分散型ブロックチェーン：仮想通貨の基軸」の動画解説を見てみてください。
Is Decentralized Anonymous Blockchain a Myth? (Explained!)
仮想通貨における「分散化」と「匿名性」とは？
本記事の本題に入り、中央集権型ブロックチェーンと分散型ブロックチェーン技術を分析する前に、そもそも「分散型ブロックチェーン」というコンセプトが何を意味するのかを理解することが重要です。最初は当たり前のことのように思えるかもしれませんが、話題のミームのように、一度調べ始めると、最初に考えていたよりもはるかに多くのものが存在することがわかります。
では、分散化から始めていきましょう。言葉の通り、分散化とは単一の中央集権を持たないことを指します。例えば、あなたの町に2つのお店があると想像してみてください。1つは中央集権型で、もう1つは分散型です。
中央集権型のお店は、一般的な想像どおりに経営しています。社長と従業員が存在し、各従業員は皆、指定された自分の役割と責任を持ち、何かあった際に報告する上司が常に存在します。
この従来の店舗モデルでは、システム内に特定の階層が設定されているため、特定のチョコレートを販売するかどうか、何個販売するかなど、従業員を何人雇うか、何人解雇するか、各従業員の給与はいくらかなど、店舗の方向性を決定する幹部が存在します。
さて、分散型のお店では、物事がさらに面白くなります。プロセスを監督して命令を下すマネージャー、ディレクター、CEOなど、単一の中央集権は分散型には存在しません。その代わり、店内の従業員は各自で施設の健全性に対して責任を持ちます。全員が経営上の決定を下し、店の進む方向に発言する権利を持ち、最終的な結果に大きな影響を与えることができます。
素晴らしいように思えますが、仮想通貨ではこのコンセプトはどのように機能するのでしょうか？ 今のところは、コンセプトとしての分散化の一般的な前提だけ理解していただければと思います。
次はブロックチェーンの匿名性についてです。匿名性とは、匿名のまま、つまり正体を明かさずに何かを行えることを指します。
オンラインゲームを想像してみてください。たとえば、リーグオブレジェンドのようなものです。このゲームでは、プレイ中に他のプレイヤーと話したり、メッセージを書いたりすることができます。ただし、自分の本当の身元を明らかにすることなく、偽名を使用してプレイできるため、少なくとも他のプレイヤーに対しては匿名でいることができます。
これは理想的な例ではないかもしれません。なぜならこのゲームのプラットフォーム上でオンライン購入をする場合、ゲームを提供する企業に個人情報が漏れてしまっているからです。しかし、仮想通貨では、これがどうなるのかみていきましょう。
なぜ仮想通貨にとって分散化と匿名性が重要なのか？
続けていくにあたり、非常にシンプルなビットコインに関連した歴史のお話をさせてください。
ご存知かもしれませんが、分散型ブロックチェーンのビットコインは、ナカモトサトシ (Satoshi Nakamoto) として知られる人物によって開発されました。BTCの開発者(または開発者たち)の身元は今日に至るまで不明ですが、これは重要なことではありませんので、なぜビットコインが作られたのかを見てみましょう。
ビットコインブロックチェーンの最初のブロックは、2009年1月3日にマイニングされました。このタイミングも偶然ではありません。ジェネシスブロックと呼ばれる最初のブロック内で、ナカモトサトシは次のようなメッセージを残しました。
「タイムズ紙 2009年1月3日 首相、銀行の二度目の救済の瀬戸際に。」
これはロンドン・タイムズ紙の見出しでした。感の鋭い人であれば、点と点がつながったかもしれません。ビットコインは2008年の金融危機の直後に誕生しました。一般的な考えでは、ビットコインは「政府やヘッジファンドから金融権力を奪い、それを一般の人々に返すために作られた。」とされています。多少の意訳はあるかもしれませんが、理解していただけたでしょうか。
上記がなぜ分散化とブロックチェーンの匿名性が仮想通貨にとって非常に重要であるかを理解するのに役立つはずです。多くの仮想通貨投資家は、自分のお金に対して全権を握るために匿名性を保つ必要があり、仮想通貨を支えるブロックチェーンテクノロジーは何としても分散化されたままでなければならないと信じています。
こういった投資家たちは、ひとたび中央集権化が始まると、再び金融危機が起こる危険性があり、またしても大手ヘッジファンドや大手銀行が救済され、一般庶民が金融危機の全面的な打撃を受けることになるだろうと主張しています。
シンプルに一言で言えば、これは今日に至るまで多くの投資家が抱いている仮想通貨の中心となる哲学です。しかし、これは非常に物議を醸すトピックなのです。その理由として、大量導入と「 KYC 」と呼ばれる用語が関係しています。
「KYC」は「Know Your Customer」の略です。金融規制に関連する用語で、基本的にはすべての金融機関が顧客を特定しなければならないという事実を指します。これは、仮想通貨プラットフォームにも当てはまります。
ブロックチェーンの分散化と匿名性という、仮想通貨を支える哲学があります。その一方で、仮想通貨が真の主流となり、ブロックチェーン技術を大規模に採用し、普及するためには、規制が絶対に不可欠です。規制は秩序を維持し、潜在的な詐欺や窃盗の可能性を取り除くことができるようになります。
お分かりのように、これは非常に難しいトピックです！ほとんどの人は規制を設けることに同意していますが、それでも多くの仮想通貨プロジェクトはこれをある程度回避することを目指しています。部分的な分散化、オープンソースコード、ドキシングされたチームなど別途特集記事が必要なほど大きなトピックです。
ここで、ブロックチェーンベースのプロジェクトと、仮想通貨取引や融資サービスなどのプラットフォームとの間には違いがあることに留意する必要があります。前者の場合、たとえ規制の監視があっても、分散化は依然として完全に可能です。前述のKYC規制は主に、個人が仮想通貨を売買したり、その他の方法で取引することを許可する企業に適用されます。
仮想通貨における分散化と匿名性
ここまで、独立したコンセプトとして分散化と匿名性についてお話しし、このようなコンセプトが仮想通貨の世界にとって非常に重要である理由についてもカバーしました。
それでは、一般的な仮想通貨投資家にとって、上記の両方のコンセプトがどのように作用するのかについて解説していきます！
分散型ブロックチェーンの話を始めるにあたって、冒頭で挙げた店舗の例に戻りましょう。仮想通貨の世界には「DAO」という言葉があります。DAOは「Decentralized Autonomous Organization」の頭文字です。
とても派手な言葉に聞こえるかもしれません。筆者もそう感じています。実際には理解するのは非常に簡単です。DAOについて詳しく知りたい場合は、このトピックの関連記事をぜひご確認ください。ここでは、DAOが何であるかを入門レベルで見てみましょう。
DAOは、特定の仮想通貨プロジェクトの提案、変更、更新、その他の事項について誰でも投票できるコミュニティです。こういった投票は、そのプロジェクトのネイティブトークンを使って行われます。先程の店舗の例では、次のようになります。
分散型店舗で働く各従業員は、店舗への献身性や業績に与える影響に応じて、特別なキャンディーを購入したりもらうことができます。従業員は毎月、店の運営方法の変更を提案したり、他の従業員が出したさまざまな提案に投票することができます。投票するには、キャンディーを特別な瓶に入れる必要があります。キャンディーの数が多ければ多いほど、選ばれる可能性が高くなります。
もちろん、実際のシステムはこれよりもはるかに複雑ですが、DAOがどのように機能し、分散型プロジェクトがどのように管理されるかについて、とても良い一般的なアイデアが得られるはずです！
さて、匿名性となると、さらに興味深いものになります。先ほど挙げたコンピューターゲームの例を覚えていますでしょうか？さまざまな分散型ブロックチェーンを活用したプロジェクトとやり取りするとき、仮想通貨ウォレットを使用するでしょう。パブリックウォレットのアドレスはブロックチェーン上の偽名として機能します。
つまり、仮想通貨ウォレットを使えば、ブロックチェーン上で匿名性を保つことができるのです。私たちが行う取引はすべて一般公開され、誰もが見ることができますが、自ら言わない限り、こういった取引を行っているのが自分であることは誰も知り得ないのです。
最終的な考え
本記事でカバーしたことは表面をなぞっただけに過ぎません。分散化と匿名性はどちらも仮想通貨に関連する、複雑なトピックです。さらに、KYC規制、分散型取引所、匿名性など、こういったトピックは複雑な要素を含んでいるため、適切に検討する必要があります。
本記事を通して、少しでも疑問を解決することができれば幸いです。仮想通貨の日常的な体験において、分散化と匿名性が果たす役割を理解することができたかと思います！
