5.1 非代替性トークン（NFT）とは?
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NFTに興味のある人で、学習曲線が本当にわかりにくいと言う人が多くいます。仮想通貨の専門家も、これまでブロックチェーンテクノロジーについて聞いたことのない伝統的なアーティストも、NFTとは何か、そしてそれが何に使用できるかについて、まったく異なる見方を持つことでしょう。
個人的には、NFTは日に日に人気が高まっているため、誰もがNFTについて少なくとも基本的な理解を持っていた方が良いと考えています。この概念を理解すると、NFTとは何か、そしてなぜNFTがそれほど価値があるのかを明確に理解できるようになります。
このコーナーでは、具体的にNFTとは何なのか、どこから来たのか、なぜそれほどまでに高価なのか、購入方法、そして自分で作成することができるのかについて説明していきます。専門用語はなるべく避け、どうしても必要な場合にのみ、業界用語をわかりやすくご紹介しますので、ご安心ください。
それでは、早速始めていきましょう！
ビデオ解説
動画解説: 非代替性トークン（NFT）とは?
読書が苦手ですか？「非代替性トークン（NFT）とは?」の動画解説を見てみてください。
What is an NFT? (Explained with Animations)
非代替性トークン（NFT）とは?
「NFT」とは「代替不可能なトークン(non-fungible token)」のことです。「代替不可能(non-fungible)」とは、何かが全くもってユニークであり、他のものに置き換えることができないことを示すオシャレな表現です。
たとえば、ご自身の車のことを考えてみましょう（もちろん、車を所有されている場合）。おそらく似た車は他にもたくさんありますが、走行距離、タイヤ、エンジン、車内のインテリアや装備品などは車によってさまざまです。ゆがみやへこみ、あるいはトランクに貼られたダサいステッカーさえも。これらすべてがみなさんのお車をユニークなものにしています。 純粋に全く同じ車は一台もないということです。
したがって、話を続ける前に、「代替可能な」資産の例として、1 ドル紙幣の価値を例に挙げたいと思います。自分の1ドルの価値が他人の1ドル紙幣の価値と常に等しく、自分の1ドルを他人の1ドル紙幣と交換できるということです。これは車ではできないことでしょう。
そうすると、トークンは単なるデジタル資産ということです。
むしろ、トークンはさまざまな種類の資産を表すものとして使用されます。車を駐車場に停めるのと同じように、車を物理的に持ち込んでインターネットに接続することはできません。だからこそ、何らかのデジタル表示ツールが必要なのです。ここでトークンの登場です。
したがって、車を持っている場合は、インターネット上でその車を物理的なオブジェクトとして表すトークンを作成することができます。それだけではありませんが、この例では、物理的なアイテムのデジタル化されたバージョンと考えることができます。
車の写真を撮り、後でそのデジタルトークンを作成したと想像してみましょう。これがご自身の車のNFTになります。NFTはユニークで、「代替不可能」であり、この場合、実際の車がデジタル化されたと考えることができます。
NFTという用語をトレーディングカード、デジタルアートワーク、またはゲーム内のアイテムやキャラクターと関連付ける人が多いです。NFT自体は実物の資産ではなく、ブロックチェーン上の資産の表現であることを理解することが大切です。
さて、ブロックチェーンは本質的にデータの保存場所、いわば仮想データベースです。ブロックチェーン上に一意のトークン (NFT) を作成すると、特別なコードが送られ、将来そのトークンを識別するために使用されます。ブロックチェーンは（ほとんど）一般公開されているため、トークンがご自身によって作成されたことと、それが友人やインターネット上のランダムな人によってコピー＆ペーストされたバージョンではなく、オリジナルのものであることが誰にでもわかります。
全てをまとめて理解するのは大変ですよね。しかし、ご心配なさらず。ここから簡単になります。
Twitter元CEOのジャック・ドーシー氏のツイートを引用して、別の例を挙げてみましょう。ドーシー氏は初めてのツイートからNFTを作成し、290万ドル以上でオークションに出品しました。
そのツイートは誰でも見ることができるのでしょうか? はい。ただし、ツイートの作成者が署名したNFTバージョンは、オークションの落札者が所有者になります。これは、ブロックチェーン技術により、非常に簡単に証明できます。
ブロックチェーン上で見ると、NFTは単なるデータの文字列です。このテキストデータは、NFTが取り扱われている取引所プラットフォームで表示できる画像、GIF、またはその他の資産を参照します。したがって、NFT を購入すると、実際には、その参照データを購入することになるのです。
ここで、この点を理解することが重要です。NFTを所有している場合、実際にはそのデータのみを所有していることを意味します。画像でも、GIFでも、ある種の仮想通貨キャラクターを所有しているわけではありません。代わりに、前述の資産を参照するデータを所有していることになります。このデータはブロックチェーン上でエンコードされ、アセット (写真、GIF など) が配置されている場所 (サーバー) を参照します。
理論的には、マーケットプレイスのプラットフォームがサーバー上の画像を置き換えることができ、ご自身のデータは、購入したものとは異なるGIFの画像を指すことになります。また、画像はサーバーから簡単に削除できますが、ブロックチェーン上のデータは削除できません。
個人的に、NFTに関しては、このアイデアが私にとって複雑でした。ですが、実物の画像を所有しているのではなく、ブロックチェーン上のデータを所有していることを理解すると、物事がより簡単に理解できるようになります。
では、なぜ人々はNFTを購入するのでしょうか？そしてなぜ一部のNFTの価格はこれほど高いのでしょうか？前述のジャック・ドーシーのツイートや、CryptoPunksやBored Apeなどの人気のNFTクリエイターによる画像コレクションの一部がここでの良い参考になるでしょう。
NFTがこれほど魅力的なのには、実はいくつか理由があるのです。
まず、NFTはそもそも真のイノベーションであり、多くの人が耳にしたことがあるように、簡単な投資方法でもあります。NFTはこの種の最初の現象であり、人々はそれをどう解釈すればよいのかまだよくわかっていません。NFTは純粋に未来のアートになるのでしょうか？ゲーム業界がNFTの恩恵をもっとも受けているのでしょうか？NFTには何か実用的な使用方法があるのでしょうか？
これらの質問が示すことは、NFTはまだ非常に新しく、良い投資になる可能性のあるイノベーションに人々が魅力を感じているということでしょう。
実はこれが人気の2つ目の大きな理由であり、NFTが将来どのような価値を持つのか、という推測値なのです。NFTを90年代後半から2000年代前半のハイテク株に例える人がいます。インターネットが普及して間もない頃、アマゾンやグーグルの株が数十年後にどれだけの価値を持つか、人々は知る由もありませんでした。
しかし、今日では、巨額の金額で販売されているNFTがいくつかあります。たとえば、これまでに販売された最も高価なNFTの1つは、Beepleの「EVERYDAY：THE FIRST 5000 DAYS」で、6,930万ドル以上で売却されました。その後、Beepleの「One」が2,890万ドルで落札されました。一部のCryptoPunkは、800万〜1,000万ドル以上で販売されています。
ここでの類似点は、NFTはまだ非常に新しいコンセプトであり、これから参入するには不安定な市場であるということです。カーニバルのようなもので、カラフルに輝いていて、どこにどんなアトラクションがあるのかまったくわからず、気づいたらジェットコースターに乗っているということも。多くのNFTの価格はこの表現が当てはまります。
ここで次のポイントです。一部のNFTの価格がこれほど高い理由は実際には非常に退屈なもので、単純に需要と供給のタイプの取引であるということです。
とても珍しい絵画を持っていると想像してみてください。最低入札価格を設定せずに、eBayのオークションに出品することにしました。誰かがその絵に数ドル入札するかもしれません。
しかし、あまりにも珍しいので、芸術愛好家から注目を集める可能性が高いです。その結果、非常に希少なもの（限られた供給）に対する膨大な需要が生じます。これにより、資産の価格が急激に上昇するのです。
多くのNFTについても同様です。トークンが独占コレクションの一部で、10点しか作成されていない場合、多くの人の興味を惹きます。そうすると価格も自然と上がるのです。
社会的な影響力や名声も大きな要因となることがよくあります。前述のジャック・ドーシーのツイートNFTについてもう一度考えてみましょう。Twitterの創設者の1人であるジャック・ドーシーは、ビジネス界で著名な人物です。当然のことながら、彼が設立したプラットフォームで最初のツイートのNFTを販売すれば、多くの注目と関心を集めるでしょう。
NFTがこれほどまでに注目されているもう1つの理由は、実用的な要素にあります。ほとんどの人は、NFTはコレクション目的のみに使用されると考えていますが、必ずしもそういうわけではありません。
ご自身のお気に入りの衣料品店が限定のNFTセットを発行すると想像してみてください。単にオシャレな画像やGIFがもらえるだけでなく、それぞれのNFTには、生涯店内で使える割引クーポンが付帯するとしましょう。これは、NFTにおける実用的な例です。言い換えれば、代替不可能なトークンに具体的な現実世界の価値を加えているのです。
利用可能なNFTの数を制限し、オークションで最高入札者のみが落札できるというシステムを組み合わせることで、一部のトークンに高額の値が付く可能性があるのです。
それでは、要約してみましょう。NFTは希少で人気があり、有名人が作成または所有していることも。現実的な価値も提供できるイノベーションなのです。これらの特徴が組み合わさることによって、仮想通貨の空間についてあまり詳しくない人でも、NFTを知ることができます。
さて、今日の貴重なNFTについて考えてみると、おそらく最初に頭に浮かぶ名前は、CryptoKittiesやCryptoPunks、Decentraland、The Bored Ape Yacht Club、Banksyでしょう。このようなNFTの多くは、比較的ニッチな業界をメインストリームに押し上げるきっかけとなったのです。
しかし、これまでに作られた最初のNFTは何だったのでしょうか？そして、いつ作られたのでしょうか？
驚いたことに、上記に挙げた名前のどれでもありません。私たちが今日慣れ親しんでいるタイプの最初のNFTは、2014年にケビン・マッコイという名前の男性によって作成されました。この作品は「Quantum」と呼ばれ、 700万ドル以上で売りに出されています。
したがって、ポップカルチャー関連の非代替トークンは市場に主流の認識をもたらし、このトピックをとてつもなく人気にさせましたが、アーティストはそのずっと前からこのテクノロジーを実験していたのです。
最後に、テクノロジーの実験というテーマで、あなた独自のNFTを作成する方法を見ていきましょう。ご安心ください。難しく聞こえるかもしれませんが、NFTの作成は実際には非常に簡単です。
まず初めに、仮想通貨ウォレットが必要になります。NFTのストレージスペースとして機能し、トークンの作成プロセスの支払いに必要な仮想通貨も保管することができます。次のようにお考えください。NFTが自動車であれば、その製造に使用される仮想通貨はガソリンです。ガソリンがなければ車は使い物になりません。この例に従うと、仮想通貨ウォレットは車の駐車スペースのようなものになります。
この点で、最も人気があるのはMetaMaskと呼ばるウォレットです。無料で利用でき、ブラウザ拡張機能としてダウンロード・インストールができます。セットアップが完了すると、ほぼ瞬時にウォレットを使用開始できるようになります。
次に、ウォレットに資金を投入する必要があります。取引所のプラットフォームにアクセスし、フィアット通貨で仮想通貨を購入することで実行できます。おすすめの購入通貨はEther（一般的にイーサリアム）です。
先に進む前に、なぜEtherなのか？NFTの絶対的な大多数はイーサリアムブロックチェーン上で作成されています。したがって、作成プロセスの料金を支払うには、この特定のブロックチェーンのネイティブ通貨であるEtherを使用する必要があります。
Etherを購入し、取引所からメタマスクウォレットに転送したら、準備完了です。
ここで、NFTがオークションにかけられる、いわゆるNFTマーケットプレイスにアクセスする必要があります。商品購入ができる従来のeBayやAmazonと同様に、NFT マーケットプレイスでは、代替不可能なさまざまなトークンを閲覧し、気に入ったトークンを入札、購入、または販売できます。これらのマーケットプレイスでは、シンプルかつ効率的な方法でNFTを作成することもできます。この例では、最も人気のある NFTマーケットプレイスであるOpenSeaとRARibleを見ていきましょう。
必要になるのは、MetaMaskウォレットをOpenSeaに接続することです。これは、マーケットプレイスでアカウントを作成するようなものです。これを行うと、NFT作成プロセスを開始できるようになります。OpenSeaには、プロセス全体をガイドする詳しいチュートリアルがあり、初めての場合でも、難しくはありません。 写真またはGIFをアップロードし、すべてのプロパティをお好みの設定にしたら、あとはNFTを作成するだけです。完了すると、ご自身のウォレットアドレス（個人の仮想通貨ウォレットの一意の識別番号）は永久にNFTに関連付けられ、誰がそれを所有しているかに関係なく、ブロックチェーンログ内で常に認証された作成者になります。
次に、NFTがどのように作成されるかについての知識が得られたので、トークンの購入は非常に簡単なプロセスに思えるでしょう。
NFTを購入するには？
NFTを購入するには、同じMetaMaskウォレットをOpenSeaに接続する必要があり、そのウォレットにもEtherで資金を入金する必要があります。NFTをフィアット通貨で直接購入することはできないため、まず仮想通貨に交換する必要があります。
ウォレットが接続されると、希望のNFTを購入したり (販売されている場合)、オークションで入札したりできるようになります。落札できた場合、NFTがウォレットに転送されます。以上です。あなたはNFTの誇り高き所有者です！
ただし、トークンは安全に保管するようにしてください。トークンをMetaMaskウォレットに保管することもできますが、さらにセキュリティを強化したい場合は、ハードウェアウォレット（物理的な仮想通貨ウォレットデバイス）を購入し、それをMetaMaskに接続することも大変おすすめです。
さて、まとめです。 NFTの本質を技術的ではないものの、詳しく解説してきました。NFTが具体的に何なのか、その価値提案について説明し、また、NFTの購入方法についても説明しました。
今回は以上となりますが、MetaMaskウォレットについて詳しく知りたい場合は、 「MetaMaskとは? 」という記事も是非お読みください！
