2.4 コイン VS トークン
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本記事では、仮想通貨コインとトークンの違いについて解説していきます。
筋トレやダイエットを始める決心をしたと想像してみてください。これからの日課について考え出すと、自分専用のトレーニング機器を購入するべきか、それともジムの会員になるべきか、迷いが出てきます。
どちらのオプションにもそれぞれ長所と短所があります。トレーニング器具を買えば、独立して好きなときにトレーニングできるようになります。その一方で、多額の費用がかかり、自分だけのミニジムを作る必要があります。これはジムの会員になれば、回避できる問題です。
つまり、上記の例は仮想通貨コインとトークンの関係の長所と短所に比例しているのです。
本記事では、仮想通貨コインとトークンについて、これら2つの資産とは何なのか、主な違いは何なのか、そもそもなぜ知っておくべきことなのかについて詳しく解説していきます。
準備はよろしいでしょうか？早速始めましょう！
ビデオ解説
動画解説: コイン VS トークン
読書が苦手ですか？「コイン VS トークン」の動画解説を見てみてください。
Crypto Token VS Coin (Animated Explainer & Examples)
仮想通貨コインとトークンとは？
まず、仮想通貨コインとトークンの比較に入る前に、そもそもこれら2つの資産が何であるかを理解する必要があります。
最も人気な仮想通貨には、ビットコイン、イーサリアム、バイナンスがあります。つまり、このような人気のコインは何らかの幅広い機能を備えた非常に大規模な暗号資産なのです。
一方、トークンは、通常のコインよりもニッチで特定の目的に使われる小さな暗号資産です。その上、トークンは単体では存在できず、仮想通貨コインのブロックチェーン上に「ホスト」される必要があります。つまり、仮想通貨コインが親コインで、トークンは子コインと言えるでしょう。
ここでの「仮想通貨」という用語は、コインとトークンの両方を指すことがあり、状況に依存することもここで述べておく必要があります。分かりやすくするために、次の例をみてみましょう。
コインをコンピューターOS（Microsoft Windows、またはAppleのmacOS）に見立てると、トークンはWindowsやmacOSの環境で起動するプログラムということになります。それでも、親ソフトウェアであるMicrosoft Windowsは、追加のプログラムがなくても実行できますが、Chromeブラウザー、Microsoft Officeパッケージ、ゲームなどの子アプリを追加することで、より多機能で楽しいものになります。とてもシンプルですよね？
さて、ブロックチェーンはデータ、つまり情報が保存される場所です。本記事ではこのトピックについては詳しく説明しませんが、さらに詳しく知りたい場合は、「ブロックチェーンとは？」という記事をご参照ください。
仮想通貨コインには独自のブロックチェーンが存在しますが、仮想通貨トークンはコインの既存のブロックチェーンでホストされます。言い換えれば、トークンには独自のブロックチェーンはありませんが、トークンは大きな親コインの子であり、親ブロックチェーンを使用して起動・操作されます。
もうひとつの見方は、冒頭で挙げた例です。もし筋トレやダイエットを始めたいと思い、自分専用のミニジムを作るとなったら（専用の器具を購入して）、たくさんのお金と時間、忍耐を要することになるでしょう。これは、新しい仮想通貨を開発するときも同様です。開発者は、将来のコインを支える新しいブロックチェーンのロジックと機能モデル全体をコーディングしなければなりません。
この例で言えば、地元のジムの会員になれば、自分でジムを作るより、お金も時間も節約できます。このように、既存のブロックチェーン上でトークンを作成することは、はるかに簡単なのです。トークンがどのような機能を果たすとしても、それを支えるコアの根本的なロジックは、構築されているブロックチェーンのものであることに変わりはありません。
仮想通貨コインとトークンについて議論するとき、最も良い方法はイーサリアムについて考えることでしょう。これはビットコインに次ぐ世界で2番目に大きな仮想通貨プロジェクトであり、一般的に「グローバル・コンピュータ」と呼ばれます。
現在の市場にあるすべてのトークンの大部分は、イーサリアムのブロックチェーン上で開発、作成、発行されています。あまり技術的な話は省きますが、これが当てはまる主な理由は、イーサリアムの環境がおそらくトークンの発行に最適かつ簡単であり、この機能をサポートするスマートなブロックチェーン環境を備えた最初のコインであるということです。
話を戻すと、イーサリアムベースのトークンとしてよく知られているのは、いわゆるステーブルコインです。トークンなのに、ステーブルコイン？と思われるかも知れませんが、ステーブルコインはイーサリアムの親ブロックチェーン上で作成されるにもかかわらず、コインと呼ばれる唯一のトークンです。しかし、これは特例であり、その理由をこれからご説明します！
ステーブルコインとは、価格がドルの価値に「ペッグ（固定）」された仮想通貨トークンの一種であり、実際のドルにも裏打ちされています。つまり、1ステーブルコインは常に1ドルの価値があるということです。ブロックチェーン上のバーチャル米ドルのようなもので、現実の有形米ドルと常に同じ価値があります。
より広い視野で見ると、現在最も人気のあるステーブルコインはUSDT (テザー)です。テザーは大規模で、この記事を書いている時点で、ビットコインとイーサリアムに次ぐ第3位の暗号資産であり、時価総額は780億ドルを超えています。さらに、前に述べたように、1つのテザーは常に1米ドルの価値があり、その価値が変わることはありません。
テザーが信じられないほど大規模であるなら、なぜ独自のブロックチェーンが存在しないのでしょうか?
繰り返しになりますが、ステーブルコインやその他の種類のトークンなどの暗号資産を発行する際に、イーサリアムがいかに優れているかということです。イーサリアムを支えるチームは常に技術を改善し、開発者はETHブロックチェーン上でトークンを作成・発行することをより簡単、普遍的、かつ迅速にしています。
新しいトークンの開発者は、独自のブロックチェーン環境を一から構築することを考える必要はなく、イーサリアムの完全に普遍的な機能をあらかじめ用意されたパッケージとして、そのまま利用することができます。
コインとトークンの違いは？
ここまでは、仮想通貨コインとトークンが何なのかを説明してきました。さて、それではこれら2つの実際の違いは何なのでしょう?
仮想通貨コイン独自のブロックチェーンが存在するのに対し、トークンは既存のコインのブロックチェーンを利用します。ただし、すべてのブロックチェーンでトークンの作成が許可されているわけではないことを覚えておきましょう！
コインをある種の建物に例えて考えてみましょう。大きな建物や小さな建物など色々なタイプがあります。どれも異なる機能や特徴がありますよね？
たとえば、建物によっては、たくさんの車を保管できる広々駐車スペースを備えているものもあります。また、小さな建物 (民家など) であれば、通常、専用駐車スペースがない場合があります。
この場合、仮想通貨トークンが実際には、先ほど述べた仮想都市の建物の隣に駐車できる (またはできない)車であると想像してみましょう。
同じように、仮想通貨コインのブロックチェーンには、開発者がトークンを作成できるものもあれば、できないものもあります。
なぜなのでしょう？コイン開発者は単にさまざまな目的を果たすために、そのようにブロックチェーンを設計しただけだからです。コインの中には、使命を果たすことだけを目的として作られたものもあります。たとえば、ビットコインは仮想世界において、お金に相当するものとして設計されているだけなのです
その反対に、他のコインは、そのようなブロックチェーントークンが発行された親コインに従い、独自の機能をトークンと共有することによって、コイン独自の機能だけでなく、追加の機能も提供できるように設計されています。
トークン作成で最も人気のあるブロックチェーンは、イーサリアムやバイナンス、スマートチェーン、トロンです。
コインとトークンのもう 1 つの大きな違いは、コインは通常、より大きな目的に役立ち、その用途がより一般的であるのに対し、トークンの実用性は特定のプロジェクトに集中していることです。
わかりにくいでしょうか？いくつか例を挙げてみましょう。
ビットコインとUniswapトークンを見てみましょう。ビットコインは市場で最大の仮想通貨です。その用途は「価値の保存」であることに、ほとんどの人が同意しています。つまり、人々はビットコインに投資することで、投資の価値が高まること、あるいは少なくともその価値が維持されることを期待しているということです。
非常に一般的で幅広い使用例だと思いませんか？
Uniswapトークンは、最も人気のある分散型仮想通貨取引所であるUniswapのトークンです。この取引所では、ある種類のイーサリアムトークンとは別の種類のイーサリアムトークンを、匿名の方法で、プロセスを監督する公式の会社を介さずに、取引することができます。（したがって、分散型）ただし、Uniswapトークンはこれらの取引には必要ありません。
それでは一体、何に使われるのでしょう？
Uniswapトークンの保有者は、当該取引所で行われる変更やアップグレードに投票することができ、プラットフォーム上で他のトークンをスワップする際に割引を受けたりすることができます。Uniswapトークンの使用用途は非常にニッチで、分散型取引所プラットフォームに厳密に関連しているのです。
もう 1 つの素晴らしい例は、前述のイーサリアムコインと、有名なトークンであるShiba Inuです。イーサリアムブロックチェーンでは、開発者はスマートコントラクトのような特別な機能を使用することで、高速かつ効率的な方法で仮想通貨プロジェクトを作成することができるのです。
スマートコントラクトとは、基本的に2 つ以上の当事者間の自動化された契約です。このトピックについてはあまり詳しくは触れませんが、さらに詳しく知りたい場合は、「スマートコントラクトとは？」という記事も是非ご覧ください。今のところ、スマートコントラクトはイーサリアムネットワークにとって不可欠であるということは確かです。
基本的に、イーサリアムは他のプロジェクトの起動台として使用され、プログラムを実行するコンピューターのようなものです。一方、Shiba Inuトークンは、このようなプログラムの1つ、つまりイーサリアムのトークンにあたります。
Shiba Inuはイーサリアムブロックチェーン上で作られたトークンで、イーサリアムブロックチェーンの基本的な特徴をすべて備えており、このネットワークのロジックに従って動作しています。しかし、このトークンの目的は何なのでしょうか？
Shiba Inuは「ミームトークン」と呼ばれるものとして作られました。本来、Shiba Inuには明確な目的はなく、投資やミーム目的で使われることがほとんどでした。現在では、Shiba Inuトークンを使って特定の動物慈善団体に寄付することもできるようになりました。さらに、このプロジェクトにインスパイアされたアートワークも制作されていますが、その用途は非常にニッチです。
コインとトークンの違いはなぜ重要なのか?
さて、ここまで仮想通貨コインとトークンとは何か、そして2つはどう違うのかを解説してきました。本記事で最後に説明する必要があるのは、そもそもなぜコインとトークンが重要なのかという疑問です！
すでにお気づきかもしれませんが、コインとトークンはその仕組みが大きく異なります。仮想通貨に興味がある人であれば、誰でもこの2つを区別できるかもしれませんが、これは仮想通貨における最大の疑問の一つなのです。
しかし、私の率直な意見では、シンプルに投資やトレードが目的で、仮想通貨の基本的な仕組みをわかっていれば、コインとトークンの具体的な違いを完璧に知る必要は特にないでしょう。
確かに、それがコインかトークンかによって、取引手数料は異なりますし、プロジェクトを支えるロジックも異なる特徴や癖があるかもしれません。しかし、一般投資家にとって、これは特に重要ではありません。それよりも、人々はコインかトークンかではなく、実際のプロジェクトとその価値提案に注目すべきなのです。
