1.5 仮想通貨の「ブリッジ」とは？

このセクションでは、仮想通貨における「ブリッジ」とは一体何かについて詳しく説明していきたいと思います。

まず初めに、別の都市に住んでいる友人を訪ねることにしたと想像してみてください。かなり長いドライブなので、荷物をまとめてから出発します。友人の家がある街に近づくと、渡らなければならない川があることに気づきました。

未来的な自動車ボートではなく、単純な車を運転しているので、ただ泳いで川を渡ることはできません。しかし、幸運なことに、あなたは橋があることに気づき、それを使って渡れば、向こう側にいる友達に会うことができます。やや哲学的な観点から言えば、ブロックチェーンブリッジもこれと同じように機能します。

このセクションでは、仮想通貨におけるブリッジとは？という質問に答えていきます。具体的には、多くのブロックチェーンが直面している問題である、仮想通貨ブリッジとは一体何か、そして、その問題の解決にどのように役立つかについて詳しく説明していきたいと思います。それに加え、最適なブロックチェーンブリッジとその見分け方についてもお話しします。

では、早速始めて行きましょう！

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動画解説: 仮想通貨の「ブリッジ」とは？

読書が苦手ですか？「仮想通貨の「ブリッジ」とは？」の動画解説を見てみてください。

What is a Crypto Bridge? (Explained with Animations)

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ブロックチェーンの通信問題

まず最初に、ブロックチェーンブリッジとは何か、またブロックチェーンブリッジがどのように機能するのかについて説明していく中で、先ほど冒頭でお話しした例について詳しく説明させてください。

この例では、あなたとあなたの友人は、二人とも 2 つの異なるブロックチェーンネットワークを表しています。この例では、その２つをビットコインとイーサリアムと仮定しましょう。既にご存知の方もいるかもしれませんが、これらのブロックチェーンは両方とも互いに大きく異なります。

イーサリアムは、ユーザーがスマートコントラクト、分散型金融 (または DeFi)、およびその他のさまざまな革新的な活動に参加できるようにする、超スマートなグローバルコンピューターです。反対に、ビットコインは、言ってしまえば、「頭の悪い」ブロックチェーンとみなされことが一般です。本質的に、ビットコインには「スマート」な機能はなく、ほとんどの場合、価値の保存としてのみ使用されます。

余談になりますが、ここまでで使われた用語の一部に馴染みがない場合は、仮想通貨101ハンドブックの別セクションをチェックしてみてください。これらのすべてのトピックについて専用のセクションが見つかります。

本題に戻りますと、たとえば、イーサリアム上の新しいdAppに参加したいのに、ビットコインしか持っていない場合はどうすればよいでしょうか？ここで窮地を救うためにブロックチェーンブリッジが登場します。

ご存知の方も多いと思いますが、「異なるブロックチェーンが相互に通信するのは非常に困難」と言うのが、すべてのブロックチェーンネットワークが直面する最大の問題です。これらのプロトコルの多くは、まったく異なるテクノロジーを使用して構築されているため、それらを相互に接続することができません。これは、Xboxゲームをパーソナルコンピューターにインストールしようとするようなものです。

ブロックチェーンブリッジとは？どこで使用される？

さまざまなブロックチェーンネットワークが相互に接続して「通信」できるようにするには、それら２つのネットワークを結ぶ「架け橋」、言わば、「ブリッジ」が必要です。仮想通貨におけるブリッジとは何かという質問に簡単に答えるとすると、これらのブリッジは、2つのまったく異なるブロックチェーンがデータ、コインとトークン、その他のさまざまな情報を共有できるようにする特別な接続と考えることができます。

ここで、「コインとトークン」について言及していることに注目してください。この部分は非常に重要です。仮想通貨コインとトークンの違いについての詳しい説明が必要な場合は、仮想通貨101ハンドブックの別セクション「コインとトークン」を参照してください。

ただし、現時点では、仮想通貨コインには独自のブロックチェーンがあるのに対し、仮想通貨トークンは他のコインのブロックチェーン上に構築されているということだけを知っておいてください。

少し話が複雑になってきたと思いますので、ここで例を挙げて説明したいと思います。

もう一度、イーサリアムを見てみましょう。これは、同じ名前の独自のネイティブコインを持つブロックチェーンです。ただし、イーサリアムには、柴犬トークン (SHIBA INU/SHIB)、Bancor (バンコール)、ベーシックアテンショントークン (BAT) など、多種多様なトークンも存在します。

次に、バイナンススマートチェーンなど別のネットワークがあります。このブロックチェーンのネイティブコインはBNBです。バイナンススマートチェーンにはさまざまなトークンも構築されています。

さて、ブロックチェーンブリッジは一体どこに登場するのでしょうか？と疑問に思ったところで、このように考えてみてください。バイナンススマートチェーンで、イーサリアムコインまたはトークンを使用したい場合はどうなるでしょうか？これらは 2 つの完全に異なるネットワークなので、従来では不可能なことでした。しかし、仮想通貨のブリッジを使用すると、まさにそれが可能になります！

ここまで、ブロックチェーンブリッジのかなり漠然とした例について説明してきましたので、ここからは仮想通貨のブリッジとは何か、そしてそれをどのように使用できるかについて、非常に具体的な例を挙げていきたいと思います。

まずは、素晴らしい収益を生み出すプラットフォームを見つけたと想像してみてください。その背後にある前提は非常に単純で、保有している仮想通貨を投入すると、時間の経過とともに受動的な利益が得られるという仕組みです。このプラットフォームは幅広い種類の仮想通貨をサポートしているため、あなたはどの仮想通貨が一番利益が出るかのリサーチを始めます。

リサーチ中に、あなたは興味深いことに気づきました。ETH (イーサリアム) コインをそこに預けると、年間1%の利回りが得られることになります。ただし、代わりにバイナンススマートチェーンに基づくETHコインを入金した場合、その割合は２倍になります。

したがって、今あなたがしなければならないことは、ブロックチェーンブリッジを見つけて、ETHコインをバイナンススマートチェーンのイーサリアムに交換し、受動的収入を獲得し始めることだけです。

別の例として、仮想通貨の貸し借りが考えられます。これは、中央集権型機関と匿名性を保持する分散型アプリケーションの2種類のプラットフォームで実行できます。ただし、ほとんどの場合、仮想通貨の貸し借りはDeFi、つまり分散型金融の一形態とみなされます。

最新のブロックチェーンネットワークのほとんどは、コインやトークンの所有者が貸し借りに参加できるよう十分に進歩しています。しかし、古いブロックチェーン (ビットコインやドージコインなど) はそうではありません。古いブロックチェーンを借りたり貸したりするには、これらの仮想通貨を特別な、よりスマートなネットワーク上のアプリケーションでブリッジする必要があります。

最適なブロックチェーンブリッジ

さて、筆者も認めますが、ブロックチェーンブリッジは仮想通貨において、とても複雑なテーマの一つです。そうは言っても、仮想通貨におけるブリッジとは何か、そしてこれらのブリッジがどこで使用されるかは大体お分かり頂けたと思うので、ここからは、最適なブロックチェーンブリッジとその見つけ方についてお話ししたいと思います！

まず最初に、これはチェックすべきブロックチェーンブリッジのリストではありませんが、その代わりに、見かける可能性のあるブロックチェーンの種類と、それぞれの種類で何を注目すべきかについて説明したいと思います。

まず、ブロックチェーンブリッジには、中央集権型と分散型の2つの主要なタイプがあることに注意する必要があります。どちらのタイプが自分に適しているかは、個人の好みによりますが、始めたばかりの場合は、中央集権型ブリッジを使用することをお勧めします。一般に、中央集権型ブリッジは、分散型のものに比べて、使用と導入がはるかに簡単です。

基本的に、最も人気のある中央集権型仮想通貨ブリッジの一部は、信頼できる、よく知られた仮想通貨取引所にあります。これらのブリッジは、取引所ベースの流動性プールの助けを借りて機能します。さて、流動性プールは大きなトピックなので、あまりよく知らないという方は、別セクションの「仮想通貨においての流動性プールとは？」を読むことを強くお勧めします。

しかし、簡単に言えば、この取引所は 2 つの異なるプール、つまりビットコインのプールと、イーサリアムに相当するBTCコインを保管しています。中央集権型取引所にアクセスしてビットコインを入金すると、同量のイーサリアムベースのBTCを受け取ることができます。元のBTCコインは最初のプールにロックされますが、いつでも新しく取得したETHのビットコインを元のコインと交換する事もできます。

今の説明だと、プロセスはかなりややこしくに聞こえてしまいますが、仮想通貨を交換するのは、実際には非常に簡単です。多くの中央集権型管理機関は、明確かつ初心者に優しい方法で交換できる特別なインターフェイスを備えています。

さて、最適な中央集権型ブロックチェーンブリッジを使用することに決めた場合は、選択したプラットフォームを完全に信頼する必要があるということに注意してください。

つまり、これを言い換えると、見知らぬ人に会って、「お金をくれたら、あなたからお金を盗まないことを約束します。魔法のようにお金が消えたり、お金を盗むことはないと約束します。」と言われてそれを信じるようなものです。

これはかなり大袈裟な言い方であることは認めますが、一般的な考え方は同じです。自分のお金を預ける訳ですから、最も信頼できるクロスチェーンブリッジのみを使用する必要があります。

よく見かける可能性のある 2 番目のタイプの仮想通貨ブリッジは、分散型ブリッジです。これらのブリッジオプションは、中央集権型のオプションに比べてかなり複雑であり、それぞれに利点と欠点もあります。

分散型ブリッジは、スマートコントラクトの助けを借りて機能します。仮想通貨をスマートコントラクトに預けると、仮想通貨はロックされ、すぐに同等の仮想通貨が自動的に支払われます。元のコインは、契約内にロックされているため、新しい仮想通貨が市場に登場することはなく、したがって複雑なインフレの問題も発生しません。

分散型クロスチェーンブリッジは、仮想通貨交換事業において匿名性を保ちたい人にとって利点が多いものです。ただし、これらのブリッジは中央集権型のブリッジよりも安全性が低いこと場合が多々あるというのが欠点です。したがって、スマートコントラクトを活用した仮想通貨ブリッジを使用することに固執している場合は、時間をかけて徹底的に調査する必要があります。

これで、仮想通貨におけるブリッジとは何かについての説明は終わりとなります。もうお気づきかと思いますが、ブリッジは仮想通貨の世界においてとても重要な部分ですので、この記事を読む事の他、個人での日々のリサーチも取り入れ、この業界の変化に常に対応していくことも重要となってきます。