Kraken(クラーケン)とは？

数多くの仮想通貨が世の中にあるように、それを売買する取引所も同じ数だけあります。今や仮想通貨取引所は大きなビジネスモデルとなりつつあります。

クラーケンとは、最大級の仮想通貨取引所の1つです。この「仮想通貨取引所クラーケンとは」の記事では、手数料や取引の始め方など総合的な評判を含め、ちょっとしたトリビアなども解説していきます。

それでは、見ていきましょう！

Kraken(クラーケン)とは：創成期

昔々、カリフォルニア州ロサンゼルスに仮想通貨が大好きなジェシー・パウエルという若者がいました。

2011年、マウントゴックスという当時、最大規模の仮想通貨取引所を訪れたジェシーは、衝撃を受けます。マウントゴックスのシステムがハッキングされており、経営破綻と顧客の資産を損失してしまう危機に直面していました。

その際、ジェシーはより安全で組織化された仮想通貨取引所を作ろうと思い立ち上げたのが、クラーケンです。

その後クラーケンは、2014年までに業界で最も信頼のある仮想通貨取引所の1つとなりました。同年、マウントゴックスは再びハッキングされ、顧客の資産4億6000万ドル相当を失って倒産しました。

ジェシー・パウエルは、顧客に仮想通貨と取引所を信頼してもらうことが重要だと理解していました。そのためクラーケンは、ドイツや日本の銀行と連携しています。また、ブルームバーグターミナル (世界中の銀行員が使用するツール)に掲載された最初の仮想通貨取引所でもあります。

こうしてクラーケンは、顧客から信頼される仮想通貨取引所となりました。

2018年、様々な問題発覚を受け、クラーケンはアップデートのため1週間ほど運営を停止しました。この対応は、問題を真摯に受け止めた素晴らしい行為だと称賛される一方で、クラーケンの抱える問題は今後も続いていくと考える人々もいました。

仮想通貨の世界は予測不可能なため、今後、クラーケンに何が起こるのか誰にもわかりません。

次は、クラーケンとはどういった仮想通貨取引所なのかもう少し詳しくみていきましょう。

Kraken(クラーケン)とは

もうご存知かと思いますが、クラーケンとは仮想通貨取引所の1つです。この取引所では仮想通貨だけでなく、法定通貨も使って取引ができます。

注：法定通貨とは、政府によって発行されている通貨のこと。例としては、米ドル、英ポンド、中国元などがあります。

クラーケンでは、以下の法定通貨で取引が行えます。

• 米ドル (USD)
• 日本円 (JPY)
• カナダドル (CAD)
• 英ポンド (GBP)
• ユーロ (EUR)
• 豪ドル (AUD)
• スイスフラン (CHF)

それぞれの通貨で取引された金額を取引量と言います。クラーケンは他の取引所と比べ、最大のユーロ取引量を持っています。

クラーケンでは、38種類の銘柄を取り扱っており、取引可能なペアはさらに多くなります。人気の仮想通貨ほど、取引通貨ペアも増えます。

注：取引通貨ペアとは、実際の取引で売買する通貨の組み合わせのことです。空港の両替所のようなもので、1 USD = 106 JPYのように表示されます。例えば、クラーケンで、1ビットコインをユーロで取引したい場合は次のようになります：1 BTC (Bitcoin) = 6770 EUR (Euro)

Kraken(クラーケン)のメリット

✓ 法定通貨で取引可能

クラーケンでは、6つの法定通貨で取引出来るので、他の取引所で換金等を行う必要がありません。ビットレックスのように仮想通貨の取引のみ対応している取引所もあります。

✓ セキュリティ

クラーケンは安全なのか？実際クラーケンは、これまで一度もハッキングされた事がありません。ジェシー・パウエルと彼のチームはマウントゴックスのハッキングから学んだ経験を活かし、ほとんどの通貨をオフラインで管理し、2段階認証も採用しています。

注：2段階認証とは、ユーザーのアカウントに2種類のパスワードを設定することです。1つ目のパスワードはユーザーによって設定され、2つ目のパスワードはGoogle認証やYubikeyのようなアプリによって作成されます。

✓ 手数料

クラーケンの取引手数料は非常に安く、市場最低価格の0%から0.26%です。取引ごとにかかる手数料は、売りか買いかによって異なります。買い手は通常0.16%、売り手は通常0.26%を支払います。

また、手数料は1ヶ月の取引量と取引通貨ペアによっても異なります。

✓ 豊富な銘柄

クラーケンは、取引できる仮想通貨の数が豊富です。取引所によっては、人気のある仮想通貨しか提供していない場合もありますが、バイナンスのような人気の取引所では、150種類以上の仮想通貨から選ぶことができます。

✓ 評判

クラーケンは、世界中から高い評判を受けています。プルーフ・オブ・リザーブによって、保有する顧客の資産を安全に保管していることを証明した最初の仮想通貨取引所になります。

注：プルーフ・オブ・リザーブとは、銀行や取引所が顧客に対し、保管している資産があるべき場所へあることを証明するテストです。

✓ サポート

クラーケンのサイト上には、たくさんの役立つ情報が記載してあります。仮想通貨取引を始めたばかりの人は、「ヘルプ」から「サポート」画面に行き、役に立つ情報やヒントを得ることができます。これらは他の取引所にはない機能です。

✓ スマホ対応

クラーケンは、スマホ用のアプリがあり、外出先でも取引可能です。シンプルですっきりしたインターフェースの他にも、便利な取引機能が備わっています。

この「クラーケンとは」の記事では、こうしたメリットだけでなく、デメリットも紹介していきます。

Kraken(クラーケン)のデメリット

✗ 信頼性

2017年、クラーケンは、サイバー攻撃や登録ユーザーの対応などの問題を抱えていました。そのため、2018年1月に約1週間閉鎖をすることになりましたが、現在は、セキュリティがさらに強化されています。

✗ カスタマーサービス

クラーケンを含むいくつかの取引所では、満足のいくカスタマーサービスが得られなかったとの声もありますが、状況改善に努めているようです。

ヒント：仮想通貨取引所は銀行ではありません。何か問題が発生した時に対応してくれる事務所や電話番号もありません。全てが自己責任だからこそ、資産の保管には、高い安全性のウォレットを利用した方が良いでしょう。

これまで、クラーケンとは何なのか、評判やメリット、デメリットを解説してきました。次は、取引の始め方について解説していきます。

クラーケンの取引の始め方

1.アカウントの登録。クラーケンのホームページから「アカウントを作成」をクリックし、ユーザー名とパスワードを作成します。"PASSWORD1234"のような推測しやすい単純なパスワードは避けてください。そして、メールアドレスを登録し、「口座開設」をクリックします。

クラーケンから、確認用のメールがアクティブコードと共に送られてきます。そのコードとユーザー名、パスワードを入力し、「アカウントを有効化する」をクリックします。

これでアカウントの登録は完了です！

2. 認証申請。クラーケンには5つ (0～4)の認証レベルがあります。このプロセスでは、様々な種類の個人情報を提出し、本人確認をする必要があります。

最初の認証レベル0〜2と比べ、最後の認証レベル3〜4はかなり多くの個人情報の提出が求められます。取引を始めるためには、少なくとも認証レベル1を完了する必要があります。認証レベル0は、カメラを向けて辺りを見回すだけなので、この「クラーケンとは」の記事では、認証レベル1〜2を解説します。自分のアカウント画面に行き、「本人確認を行う」をクリックします。

認証レベル1では、名前、生年月日、出身国、電話番号を入力する必要があります。

そして 「認証する」を クリックし完了です。

認証レベル1を完了すると、仮想通貨でのみ入出金が可能になります。1日に出金出来る仮想通貨も$2,500の制限があります。認証レベル1は出来ることが限られているため、少なくとも認証レベル2まで完了した方が良いでしょう。まず、「認証レベル２」をクリックします。すると、住所証明の提出を求めるフォーマットが開きます。

必要情報を入力し 「認証する」をクリックします。

ほとんどのユーザーは認証レベル2まで申請しています。この認証を行うと法定通貨の入出金が可能なり、制限は1日$2,000までとなります。 仮想通貨の出金は1日$5,000の制限がありますが、入金に制限はありません。認証レベル1と認証レベル2はほんの数分で認証完了します。認証レベル3と認証レベル4には数日かかりますが、入出金の制限が高くなります。 アメリカ、カナダ、ドイツ、日本に住んでいる場合、法定通貨で取引をするためには認証レベル3まで完了する必要があります。この際、政府公認の身分証明書とガスの請求書など現住所を証明するものが必要となります。認証レベル4は、企業や高額トレーダーが利用します。

つまり保有する資産額が多い人です。もしこれに該当しているならおめでとうございます！しかし取引を始める前に、安全のため2段階認証を設定しましょう。

3. 2段階認証。 アカウント画面の「セキュリティ」から「2段階認証」へ行き、「設定」をクリックします。「クラーケンとは」の序盤で述べましたが、2つ目のパスワードはGoogle認証かYubikeyのどちらかで作成できます。2段階認証が利用可能な取引所では、事前に設定しておくことをおすすめします。ここまで完了したら、取引を始めていきましょう！

4. 取引開始。アカウント画面から「入出金」をクリックし、入金を行います。法定通貨を銀行送金で自分の口座に送ることができます。しかし、使用する通貨や住んでいる地域によっては手数料がかかる場合があります。

例えば、EEA (欧州経済領域)の場合、ユーロでの入金は無料です。アメリカから米ドルで入金する場合は、$5かかります。ここまできたら、自分の取引したい仮想通貨を選択しましょう。まずは「取引」、そして「追加注文」をクリックしてください。

取引には、シンプル、イミディエイト、アドバンスの3つのオプションがあります。最初は、シンプルを選択してください。クラーケンは、あらゆる種類の取引方法を提供しており、非常に複雑になる可能性があります。取引を行い、慣れていくとより多くのオプションが選べるようになります。今回はシンプルにしましょう！

 

買いたい通貨と支払いたい通貨を選択します。取引は指値または成行で注文を出すことができます。成行注文の方が指値注文よりも早く簡単に注文できます。注：指値注文とは、設定された価格で通貨を購入することです。成行注文とは、値段を設定せずに現在の価格で通貨を購入することです。

そして、緑色の「買う」をクリックし、取引成立です。これであなたも仮想通貨トレーダーです！

資産の保管に関して

仮想通貨取引所は取引のみに使用し、資産を長期保管する場所として使用しないで下さい。仮想通貨をオンライン上やホットストレージに保管するのはサイバー攻撃のリスクが上がるだけなので、あまり良い考えとは言えません。その代わり、オフライン上やコールドストレージに保管して下さい。

そのためには、ハードウェアウォレットを準備する必要があります。ハードウェア・ウォレットは、高性能な安全性を誇るUSBメモリのようなもので、仮想通貨にアクセスするために必要なコードが全て含まれています。クラーケンは、顧客の保有資産を守ろうと努力していますが、自分の安全は自分次第です。

仮想通貨の取引をして、ある程度の資産を形成したら、その一部を法定通貨で出金したいと思うかもしれません。しかし、そのためには手数料が発生します。

出金手数料

クラーケンの出金手数料は、国によって異なります。例えば、アメリカの銀行口座から米ドルを引き出したい場合、手数料は$5になります。もし海外の銀行口座から米ドルで下ろす場合、$60かかります。あまりよくないですよね？

仮想通貨で出金する場合だと手数料はかなり安くなります。例えば、ビットコインの手数料は0.0005BTCで、イーサリアムだと0.005ETHになります。

これまで「クラーケンとは」を読んでいただけたら、クラーケンについてかなり詳しくなったのではないでしょうか。次は、クラーケンをおすすめできる人について解説していきます。

Kraken(クラーケン)が向いている人は？

もしかしたら他の記事で、クラーケンは初心者向きではないと言われたかもしれません。確かにクラーケンには複雑な機能がたくさんあり、ベテラントレーダーでも使いにくいと感じることでしょう。

しかし、初心者の方にこそクラーケンはおすすめです。トレードを学ぶことは、車の運転を学ぶようなものだと考えてください。最初のレッスンで、いきなりモナコグランプリで勝つことはできません！まずはエンジンのかけ方など小さなことから始め、それから運転の仕方を学ぶのです。

クラーケンで取引を始めたら、他の取引所で同じようにやり方を学ぶ必要はありません。認証レベル2を完了し、法定通貨を入金するまで時間や手間もかかりません。その後、取引を繰り返していけば、クラーケンが提供する上級者向けの機能も活用できるようになります。

一定の制限がかけられている仮想通貨取引所もありますが、クラーケンは上級者向けのマージントレードやショートセリングも可能であり、色々と応用が出来る取引所です。

注：マージントレードとは、証拠金を担保にすることでより多くの資金を借りて取引することです。つまり、より多くのお金を稼ぐことができますが、より多くのお金を失う可能性もあります。ショートセリングとは、証拠金を担保にして、実際には所有していない仮想通貨の売り注文を出し、高い価格水準で売り、より安くなったところを買い戻すという形で、売買差益を得ることです。

まとめ

この「クラーケンとは」の記事を通して、クラーケンは複雑で少し分かりにくい仮想通貨取引所だとわかった思います。しかし、クラーケンは手数料が安く、信頼性、安全性も高く、初心者から上級者まで対応した機能があります。

あなたが人気の仮想通貨取引所を探しているなら、クラーケンも検討してみてください。

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